デイジー

愛猫デイジーと暮らしています。児童文学を書いています。

「ヒルクレストの娘たち」

ヒルクレストと呼ばれる家に住む、パーセル家の四人姉妹のお話です。

1巻は四女セーラ、2巻は長女フランセス

3巻は次女ジュリア、4巻は三女グウエン、

それぞれの視点から書かれています。

図書室の児童文学のコーナーにありました。

読書メーターでは、大人の方もたくさん読まれていました。

現在まで全4巻が出版されています。

 

 

5巻は大人になったセーラの視点から(アニーとの説も)

アニーは、パーセル家の姉妹より少し年上の

「大きくて有能な手を持った」女中ですが、姉妹たちを母親のように見守ります。

6巻はルーシーの視点で語られるとのこと。

ルーシーは、母親を失いパーセル家の姉妹の後見人となった牧師、マッケンジー氏の娘で、4巻までは、マッケンジー夫人(ルーシーの母親)の仕事を引き継ぐ地味な女性として書かれています。

4巻のあとがきでは、訳者の方が、

著者のルース・エルウィン ハリス氏から

「5巻を執筆中と嬉しい知らせが届いている」とありました。

5巻、6巻を待ち遠しく思いつつ

4巻を読み終えると、これで完結した印象もします。

なぜなら、セーラは姉たちの視点から見ても

美しく、文章の才能にあふれ、作家として成功するのを確信できます。

そればかりか、関わる人、周囲にいる人を元気づける能力を持っています。

人生のどんな困難にも、

たくましく清らかに立ち向かうだろうと想像ができるのです。

3人の姉たちのように。

3巻のジュリア、4巻のグウエンの感想は、

おとなしく控えめに見えた彼女たちにも希望や葛藤があったということです。

それは、傍目からはみえず、自ら発することのできない問題でした。

母親の仕事を受け継いだルーシーも、

希望や葛藤を持ちながらも、乗り越えて行くのではないかと想像できるのです。

 

 

ヒルクレストの娘たち」は、同じ出来事、同じ年代を四姉妹のそれぞれの視点で描くとう特殊なスタイルで書かれました。

姉妹たちの視点を追っていくことにより、人生の出来事に厚みが増していきます。

もしかしたら、です。

ヒルクレストの娘たち」の喜びや悩みは、読者にも投影されます。

5巻の成長したセーラに思いを馳せることで、

読者自らの未来にも、希望がみえてきます。

6巻のルーシーの希望や葛藤は、

読者の周囲にいる人々に思いを馳せることができます。

ルース・エルウィン ハリス氏は、本の中で完結するのではなく

読者の想像を豊かにし、読者の身の回りにいる人まで

主役にしてしまう魔法をかけたのではないでしょうか。