デイジー

愛猫デイジーと暮らしています。児童文学を書いています。

久しぶりの「犬神家の一族」

胃腸の調子が悪くてごろごろしている日曜日の午後、BSで「犬神家の一族」が放送されていました。

子どもの頃、スケキヨの白いマスクにトラウマになった世代です。もう大人ですから、今は、恐くないです。遺言を読んでいるシーンから物語が始まっていました。

それにしても恐いですね。平成の時代に見ても、引き込まれていきます。映像も恐いですし、人間関係も、人の業も、戦争の後のことも。

石坂浩二さんの金田一耕助高峰三枝子さん、草笛光子さん、岸田今日子さん、三国連太郎さん、あおい輝彦さん、豪華俳優人にも、見入ってしまいました。

もう一つ引き込まれたのが、時代感のあるセットです。「警察の鑑識」では、電子レンジぐらいの四角の箱をのぞきます。りりりーんとなる黒電話、犬神家の玄関では、段差ある土間が旧家の風情を出していました。

「復員」とか「戦争」とか、遠い昔のことだと思っていたら、六◯代の佐世保出身の夫は、子どもの頃、日常的に「復員」してくる兵隊さんを見ていたのだそうです。

佐世保は帰港地の一つで、船から、腕や足の無い兵隊さんがたくさん降りてきたそうです。大けがをしてもどってきたスケキヨも、お話ではなかったようです。

今のように社会保障も十分ではなく、腕や足のない兵隊さんは橋の下で物乞いをするしかなかったのだとか。静かに「大変だね」と言ったわたしに、夫は、両手の、人指し指と親指で大きな輪をつくり「いっぱい入ってたよ」と言いました。

「いっぱい入っていた」としても、手足のない人々が、その後の人生を送るときに苦しみや悲しみも多かったと思います。

若くして行き倒れていた佐兵衛、珠世を守ることに命をかけている猿蔵、どちらも身元不詳です。あの時代は、そういう人が多かったそうです。いわゆる戦争孤児で、お父さんが出兵してお母さんが事故や病気で死んでしまい孤児になってしまうのです。

佐兵衛は、その後、犬神製薬を創立し成功します。猿蔵は、衣類は汚れて髪も乱れ、野蛮な印象を与えています。それでも「命に代えて珠世を守れ」という言いつけを守る忠誠心と、珠世のピンチにあらわれて救い出す賢さ(映画ですけど)があり、教育を受けていたら理系の数字オタクになっているような雰囲気です。

映画の登場人物が、現代に生きていたらと想像すると面白いですね。

平成の時代にみると、一番悪いのは、あちこちに女性をつくり、わけわかんない遺言状を残した佐兵衛ではないかと思います。