デイジー

猫のデイジーと暮らしています。

大人のための「あらしのよるに」

(ネタバレが、多少あります)

絵本の「あらしのよるに」を図書館で予約しようと思ったら、大人向けの「あらしのよるに」があることを司書さんが教えてくれました。「結末が違うみたいです」との言葉を聞いて読んでみることにしました。

あらしのよるに」は、オオカミとヤギが偶然出会う物語です。その後、それぞれの種のグループから離れて、二匹は逃避行をします。

逃避行中の話を読みながら、壇一雄「光る道」を思い出しました。宮廷の衛士と姫君の逃避行の短編です。衛士と姫君が出会い飛び出していく様子は、とても美しく幻想的に噂されます。ほどなく現実が襲います。

姫が言い出すのです。

「供御のものは?」

腹が減った、何か用意しろ、というわけです。

お姫様ですから。

あらしのよるに」のオオカミとヤギも、疲労の中で、現実の問題が出てきます。

お腹が空くんです。オオカミも、ヤギも。

盛り上がったときはいいけれど、空腹は現実を知らせます。

大人って夢がないな、雲でも食べればいいのに、というわけにいきません。

大人っていうのは。

大人っていうのは、現実だけをみているわけではありません。

一番、現実から逃げたい人を、大人っていうのかもしれないです。

でもね、

あらしのよるに」出会ったオオカミとヤギの会話の一つ、一つに、どうして一緒にいるのか、という答えがありました。

 壇一雄「光る道」は、ポプラ社 百年文庫「妖」に収録されています。

あらしのよるに」のように、悲しくも、さわやかなラストではありません。打ちのめされて、妖しいラストから逃げられないような結末です。

どうして、大人っていうのは・・・